「YouTubeもSNSもない時代、日本中を21ヶ月間も『恐怖のエンタメ』にハメ込んだ、史上最強の劇場型犯罪がヤバすぎる」
## グリコ・森永事件の表向きの理由と、教科書が教えない「未解決」の違和感
1984年3月、兵庫県西宮市。日本中の子供たちが愛する「グリコ」の社長・江崎氏が、自宅の風呂場から全裸で誘拐されるという、まるで映画のような事件からすべては始まりました。
犯人は「かい人21面相」と名乗り、警察を煽りまくります。「おまわりさん、ご苦労さん」「おいしくて。つよくなる。グリコ」挑戦状を新聞社に送りつけ、お菓子に青酸カリを混入してコンビニに配置。日本中のスーパーからお菓子が消え、おやつを楽しみにしていた子供たちは恐怖に震えました。
でも、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
犯人の目的は「10億円よこせ」「金塊100kgだ」といった、いわゆる身代金目的だと思われていました。しかし、犯人は指定した場所に現れなかったり、警察が張っている罠を鮮やかにスルーしたりと、結局「一円も」現金を受け取っていない(とされている)んです。
「えっ、じゃあ何のために日本中をパニックにしたの? 暇つぶし?」
いいえ。そんなわけありません。犯人は「実利」をしっかり手に入れていた可能性があります。それも、怪しまれにくい「合法的なマネー」として。
## 「株価操作をした黒幕」はいかにしてグリコ・森永事件で莫大な富を得たのか?
この事件を理解するキーワード。それは「身代金」ではなく「株の空売り」です。
★ 最強の例え話:格ゲーの「勝敗予想」で八百長をする方法
想像してみてください。あなたは超人気の格闘ゲーム大会の観客です。戦っているのは「グリコ君」という絶対王者のプレイヤー。誰もが彼が勝つと信じて、彼の勝利に全財産を賭けています。
そこで、あなたは裏で「グリコ君のコントローラーのボタンを、試合中にいくつか壊す」という仕掛けをしました。当然、グリコ君はボコボコにされ、観客はパニック。「うわあああ!グリコ君が負けるぞー!」と。
あなたは事前に「グリコ君がボロ負けする」というほうに100円を賭けていました。結果、周りが大損する中で、あなただけが100円を100万円に変えて、涼しい顔で会場を去る――。
これが、グリコ・森永事件の「株価操作」という裏側の正体です。
最大の受益者とその「手口」
事件当時、グリコや森永といった超有名企業の株価は、脅迫や青酸カリ混入の報道が出るたびに大暴落しました。
- 事前に「空売り」を仕込む: 「これからこの会社の株が下がる」という方に、膨大な資金を投入する。
- 事件を起こす: 放火、誘拐、毒入り菓子のばら撒き。世論は「この会社、ヤバい!」とパニックになり、株価はさらに下がる。
- 利益を確定させる: 下がりきったところで利益を回収。
犯人は現金受け渡しの現場に現れる必要なんてなかったんです。なぜなら、家のパソコン(当時は証券会社への電話)一本で、合法的に数十億円を稼げるシステムを構築していたから。
「かい人21面相」の正体が、実は極道や警察関係者、あるいは経済に精通した「プロの相場師」ではないかと言われる理由は、ここにあります。
## グリコ・森永事件によるシステム変更:昭和の「アナログ治安」から「管理社会」への激変
この事件は、日本の社会構造という「OSのアップデート」を強制的に行いました。
Before:平和ボケした「性善説」の日本
それまでの日本は、「お店に置いてあるお菓子に毒が入っているかも」なんて誰も疑わない、お花畑のようなセキュリティでした。
After:疑いと監視、そして「規格化」の時代
この事件をトリガーに、私たちの生活システムは以下のように書き換えられました。
- 「フィルム包装」の義務化: それまで箱に入っているだけだったお菓子に、プラスチックのフィルム(キャラメル包装)が巻かれるようになりました。「もし開けられていたらすぐわかる」ためです。これ、実は犯人が企業にコストを押し付けたとも言えるシステム変更です。
- 「防犯カメラ」の普及: 店頭に毒入り菓子を置く犯人を捉えるため、コンビニやスーパーへのカメラ設置が加速しました。今の「監視カメラだらけの街」の原点は、ここにあると言っても過言ではありません。
- 警察権限の「正当化」: 結局、警察は犯人を捕まえられませんでした。しかし、その「失敗」を逆手に取り、通信傍受や捜査手法の強化など、警察の権限を維持・拡大させる理由になってしまったという皮肉な側面もあります。
## グリコ・森永事件から学ぶ現代の教訓:資産を奪われる「被害者」にならないために
この事件で最大の被害を受けたのは、お菓子を楽しめなくなった子供たちや、倒産寸前まで追い込まれた食品メーカー…そして、「真実を知らされず、パニックで自分の財布を守れなかった日本国民」です。
犯人は「キツネ目の男」などのモンタージュ写真を世にばら撒き、警察やメディアを「エンタメ」として利用しました。私たちは、テレビのニュースにかじりついて一喜一憂している間に、裏で静かに進められる「カネの移動」に気づけなかったのです。
明日からニュースを見る時の「眼鏡」を変えよう
現代でも、誰かがSNSで炎上したり、どっかの国で悲劇が起きたりするたびに、裏では必ず「カネ」が動いています。
- 「この事件で、誰が得をしているのか?(Follow the Money)」
- 「世論が一点に集中している時、死角で何が隠されているのか?」
グリコ・森永事件は、単なる「未解決のミステリー」ではありません。情報の裏側を読み取れない人間は、いつの時代も「かい人21面相」のような巧妙なプレイヤーに、自分の資産や自由を「空売り」されてしまう。
次にスマホで大ニュースを見かけたら、こう呟いてみてください。「はは~ん。さて、今回は誰が儲けてるんだ?」
それだけで、あなたはもう「使い捨ての観客」ではなく、世界のルールを読み解く側になれるのです。
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