NFTバブルとウォッシュトレード:自作自演の「神絵」が100億円!? 令和最大のババ抜き詐欺の裏側

「ただのjpeg画像が、なぜ数億円? 」――それは革命ではなく、世界一豪華な「さくら」が仕掛けた現代の錬金術だった。

こんにちは、特別講師の私です。今日は、皆さんのスマホの中にある「夢」と、その裏側にある「闇」についてお話ししましょう。

2021年、SNSはこう騒いでいました。「NFTはデジタル界のピカソだ!」「これからはクリエイターが報われる時代だ!」。猿のイラストやドット絵が数千万円、数億円で取引される狂乱の時代。

でもね、冷静に考えてみてください。「昨日まで100円の価値もなかった画像が、ある日突然、誰かの手によって1億円で買われる」。これ、あなたの学校やバイト先で起きたらどう思います?「怪しすぎるだろ……」って思いますよね。

そう、その直感は正しい。今日は、教科書が決して書かない「NFTバブルとウォッシュトレード(自作自演取引)」の、エグすぎる裏側を全解剖します。


NFTバブルの表向きの理由:教科書が語る「革命」と、現実に起きた「違和感」

2021年、世界中の投資家や若者が「NFT(Non-Fungible Token)」という言葉に熱狂しました。表向きのストーリーはこうです。

「これまでコピーし放題だったデジタルデータに、ブロックチェーンで『世界に一つだけの証明書』をつける。これでクリエイターの権利が守られ、デジタルアートに資産価値が生まれるんだ!」

これを聞くと、「おお、素晴らしい!クリエイターがついに救われるんだな!」と思いますよね。ニュースでは有名人がSNSのアイコンをNFTに変え、無名のアーティストの絵が数十億円で落札されるシーンが何度も流れました。

でも、少しだけ「帳簿(バランスシート)」を見てみましょう。取引履歴を追いかけると、おかしなことが起きていたんです。

「Aさんが1億円で買ったNFTを、Bさんが2億円で買い、それをまたAさんが4億円で買い戻している……」

え、これ何の意味があるの? 仲間内でお金を回しているだけじゃない?そう、この「違和感」の正体こそが、今回深掘りするウォッシュトレード(自作自演取引)なんです。


初期参入者とインフルエンサーはいかにしてNFTバブルで莫大な富を得たのか?

この事件で、笑いが止まらないほど儲けた「最大の受益者」たちがいます。それは、一部の初期参入者、仮想通貨取引所、そして宣伝役のインフルエンサーです。

彼らがどうやって富を築いたのか?「最強の例え話」で解説しましょう。

【例え話:学校の「ゴミ」を100万円にする方法】

想像してください。あなたがクラスで、その辺に落ちていた「ただの消しゴムのカス」を手に取ります。当然、価値は0円です。

  1. 仕込み: あなたは親友のA君とB君に「俺が今からこの消しゴミのカスを1万円で売るから、A君が買って。そのあとB君が2万円で買い取って。金は後で返すから」と頼みます。
  2. ウォッシュトレード: クラスのみんなが見ている前で、取引スタート。
  • あなた「このカカス、1万円!」
  • A君「買った!」(1万円を渡す)
  • B君「いや、俺は2万円出す!」(2万円を渡す)
  1. カモを呼ぶ: 周りのクラスメイトはザワつきます。「え、あの消しゴムのカス、そんなに価値があるの? 今買っておけばもっと高くなるかも!」
  2. 売り抜け: 噂を聞きつけた「情弱な隣のクラスのC君」がやってきます。「俺に5万円で売ってくれ!」
  3. ゴール: あなたはC君に5万円で売り、A君とB君に協力費を払って、残りをポッケに入れます。

これが「ウォッシュトレード」の真実です。

NFTの世界では、プログラムを使ってこれを数千回、数万回、しかも「秒単位」で繰り返しました。自分の右手の財布から、左手の財布にNFTを移動させ、そのたびに価格を釣り上げる。価格チャートは急上昇。それを見た一般の投資家(カモ)が「乗り遅れるな!」と飛びついた瞬間、彼らは「価値のない画像」を押し付けてドロンしたわけです。

黒幕のセリフ:「おい、もっと取引高を偽装しろ。バカなフォロワーたちが『これは未来の資産だ』と信じ込むまで、俺たちの間で100億円のキャッチボールを続けるんだ。最後の一人がババを引けば、俺たちの勝ちだ。」


NFTバブルによるシステム変更:【Before】所有権の証明 から 【After】究極のババ抜きへの激変

この事件は、単なる投資の失敗ではありません。デジタル資産の「ルール(OS)」を、最悪な形で書き換えてしまったのです。

【Before:所有権の革命】

本来、NFTは「デジタル作品に正当な価値をつけるための道具」でした。売れるたびに作者に手数料(ロイヤリティ)が入る、クリエイターにとっての「魔法の杖」になるはずだった。

【After:究極のポンジスキーム(ネズミ講)】

バブルが崩壊した現在、NFT市場の95%以上の作品は価値が「ゼロ」になったと言われています。今のルールは、こうアップデートされてしまいました。

  • 取引所は手数料で稼ぐ: 取引が自作自演だろうが何だろうが、取引所は「場」を提供して手数料を掠め取るだけ。
  • 「いいね」は買える: SNSのフォロワー数や取引高は、カネで偽装できる。
  • 実体がない: あなたが数千万円で買ったのは「画像の所有権」ではなく、ブロックチェーン上の「ここにあるよというリンク先(URL)」に過ぎなかった。

これって、スマホのゲームでガチャを回して、運営がサービス終了したら何も残らないのと同じ、不毛なゲームですよね。


NFTバブルから学ぶ現代の教訓:後発の購入者(被害者)にならないために

この事件で最大の被害を受けたのは、「乗り遅れたくない」という焦りから、貯金を叩いてNFTを買った後発の購入者(Bag Holder)、つまり私たち一般市民です。

彼らが奪われたのはお金だけではありません。「新しいテクノロジーへの信頼」そのものです。

私たちが学ぶべき3つの教訓

  1. 「価格」と「価値」を混同するな:高値で売れているからといって、それに価値があるとは限りません。誰かが裏で「自作自演」のサクラをしている可能性を常に疑ってください。
  2. インフルエンサーを信じるな:彼らは「紹介料」や、自分たちが安く仕込んだ物を「高値で売り抜けるため」に宣伝している場合がほとんどです。あなたの財布の中身より、彼らは自分の銀行残高を優先します。
  3. 「裏側の仕組み」から逃げるな:「なんか難しそうだけど儲かりそう」は、詐欺師にとって最高の餌です。仕組みが説明できないものには、絶対にお金を出してはいけません。

最後に

明日から、NFTや新しい投資のニュースを見るときは、この「眼鏡」をかけてください。「これは本当に価値があるものか? それとも、誰かが『サクラ』を使って価格を吊り上げているだけの消しゴムのカスか?」

世の中の「熱狂」の9割は、誰かの財布を膨らませるために作られたエンターテインメントです。冷めた目でその構造を俯瞰できたとき、あなたはようやく「カモ」の列から抜け出すことができるのです。

授業はここまで。次は、もっと深い「お金の正体」についてお話ししましょう。

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