1953年、イランで起きた史上最悪の「石油横取り事件」:エイジャックス作戦の裏側

「民主主義?そんなのどうでもいい。俺たちのガソリン代の方が大事だろ?」――石油のために一国の未来をスマホのアプリを消すように削除した、CIAの極秘チート工作。


1953年のイラン政変(エイジャックス作戦)の表向きの理由と、教科書が教えない違和感

想像してみてください。あなたが一生懸命バイトして、ようやく自分のお店を持ちました。利益も順調、さあこれからだ!という時に、隣の大きなビルに住んでいる「超怖い金持ちの先輩(アメリカ・イギリス)」がやってきてこう言うんです。

「お前の店、共産主義の匂いがするな。危険だから今日からこの店、俺のな」

……は???ってなりますよね。

これが1953年、イランで実際に起きたことの「表向きのストーリー」です。

当時のイランにはモサデクという、国民から絶大な人気を誇るおじいちゃん首相がいました。彼は「自分たちの国で採れる石油は、自分たちの国のものだ。イギリスに安く買い叩かれるのはもう御免だ!」と立ち上がります。

教科書や当時の欧米メディアはこう伝えました。「モサデクは独裁者になりかけている!」「放置すれば、イランはソ連の共産主義に染まって、世界がピンチになる!」

でも、ちょっと待ってください。当時の帳簿(バランスシート)を覗いてみると、全く別の景色が見えてくるんです。そこにあったのは「正義」ではなく、ただの「石油という名のお財布の奪い合い」でした。


BP(英石油大手)はいかにしてイラン政変で莫大な富を得たのか?:最強の「サブスク乗っ取り」例え話

この事件の最大の受益者は、現在も世界的な石油会社として知られるAIOC(現在のBP:ブリティッシュ・ペトロリアム)と、彼らと組んだアメリカ・イギリス政府です。

彼らが何をしたのか。わかりやすく例えてみましょう。

【スマホゲーの「神垢」を凍結して奪う方法】

  1. イラン(モサデク)の反乱: イランはこれまで、自分たちの土地にある「石油」という神アカウントを、イギリスに月額100円の超安値で利用させていました。モサデクは「これ、月額10,000円が相場だろ! 契約解除だ!」と、石油の国有化を宣言します。
  2. イギリスのブチギレ: 「商売上がったりだ!」と焦ったイギリスは、自分一人では勝てないので、一番ケンカが強いアメリカに泣きつきます。「あいつ、共産主義っていうヤバいウイルスに感染してるよ(嘘)」とチクるわけです。
  3. CIAの「エイジャックス作戦」始動: アメリカとイギリスは、イランの国内で工作を始めます。何をしたか?
    • サクラを雇う: お金を配って「モサデク辞めろ!」と叫ぶデモ隊を偽装して作る。
    • フェイクニュースの拡散: ラジオや新聞で「モサデクは精神異常者だ」とデマを流す。
    • システムの物理破壊: 警察や軍を買収して、モサデクの家を包囲。

受益者側の本音:「民主主義なんて建前だよ。俺たちが安くガソリンを使い続けられるなら、あいつの国の政治が独裁になろうが知ったこっちゃない」

結果として、モサデクは失脚。AIOC(BP)はイランの石油利権を奪い返すことに成功しました。しかも今度はアメリカも「分け前」をもらう形で、世界の石油ビジネスを独占する最強のチームが完成したのです。


イラン政変によるシステム変更:民主主義から「傀儡独裁」への激変アップデート

この事件は、単なる一回きりの政変ではありません。世界というOS(オペレーティングシステム)の書き換えが行われた、歴史的な「悪の大型アップデート」でした。

Before:民主主義的資源管理

  • ルール: 国民が選んだリーダーが、国の資源(石油)の使い方を決める。
  • 利益: 病院を作ったり、教育を無料にしたり、国民の生活を豊かにするために使う。
  • 状態: 「自分たちの国は、自分たちでハンドルを握る」という希望。

After:傀儡独裁システム(Verson 1953)

  • ルール: CIA公認の「パーレビ国王」をトップに置き、彼が欧米の言う通りに石油を差し出す。
  • 利益: 莫大な富は欧米の石油メジャー、そして国王とその一族だけに流れる。
  • 監視社会の導入: 国民が「これ、おかしくない?」と言わないよう、SAVAK(サバク)という超怖い秘密警察を設立。政府に文句を言うやつは、片っ端から消される。

今の私たちの生活にどう繋がっているか?この「エイジャックス作戦」は、その後アメリカが世界中で繰り返す「レジームチェンジ(政権転覆)」のテンプレートになりました。

「気に入らない奴がいたら、国内に分断を煽って、フェイクニュースを流して、自分たちに都合のいいリーダーに挿げ替える」

この仕組み、現代のSNSでの世論操作や、どこかの国の軍事介入にそっくりだと思いませんか? 私たちのスマホ代やガソリン代の価格決定権の後ろには、常にこうした「誰かが作ったシステム」が潜んでいるんです。


イラン政変から学ぶ現代の教訓:最大の「被害者」にならないための情報リテラシー

この事件の最大の被害者は、間違いなくイラン国民です。

彼らは「自分たちで自分の国のリーダーを選ぶ」という、民主主義において最も大切な自由を奪われました。その後、25年に及ぶ独裁政治が続き、その反動で1979年に「イラン革命」という爆発的な反米運動が起きます。今でも中東が不安定で、ニュースで不穏な空気が流れるのは、元をたどればこの「1953年の身勝手な横取り」に原因があると言っても過言ではありません。

私たちが現代で搾取されないための「眼鏡」

  1. 「正義の味方」の言葉を疑え:「あの国は独裁だ」「人道を救わなければならない」という綺麗な言葉の後ろに、「石油」「半導体」「ビッグデータ」といった具体的なカネの流れが隠れていないか? をチェックする癖をつけましょう。
  2. フェイクニュースの根源を見抜く:1953年にはラジオや新聞でしたが、今はそれがXやYouTubeに置き換わっているだけです。誰かが誰かを一斉に攻撃し始めたら、「これをすることで、誰が一番得をするのか(受益者は誰か?)」と考えてみてください。
  3. 無関心は、権力者への「全権委任」:イラン国民が気づいたときには、すでに軍と警察は買収されていました。自分の国のルールが知らない間に「アップデート」されていないか。私たちの財布の中身や自由が、見えないところでサブスクのように搾取されていないか。

1953年のイラン政変は、歴史の教科書に載っている古い話ではありません。「富を独占したい強者たちが、弱者のシステムをハッキングした」という、現在進行形の物語なのです。

明日からニュースを見るときは、その報道の「裏側」に隠れた受益者の影を探してみてください。それが、あなたが「搾取される側の被害者」にならないための、唯一の防衛策です。

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
おすすめ記事1
PAGE TOP