はじめに
新規事業の立ち上げを志す、未来のオーナーへ。
「マッチングサイトを作りたい」と開発会社に相談し、出てきた見積もりが300万円。しかも納期は半年後。そんな数字を見て、立ち往生していませんか? プログラミングを学ぶ時間も、エンジニアを雇う資金もない。しかし、世界はあなたのアイデアを待ってはくれません。
今回は、私が候補に挙げた10個のNoCodeプラットフォームから、「本当にフルスタックなWebアプリが作れる」ものだけを厳選しました。なお、当初リストにあった『Plasmic』は、現時点では「UIデザインとフロントエンドの実装」には長けているものの、データベース構築を含むフルスタックなWebアプリ制作においては、本記事の他ツールに一歩及ばないと判断し除外しました。また『Noodl』は現在オープンソース化へ移行中の過渡期にあり、保守の観点から「失敗したくない」初心者には推奨できないためカットしています。
「開発費ゼロ(※ツール利用料のみ)」かつ「フルスタック」な神ツールを、厳選して3個紹介します。
【この記事で得られること】
- ✅ 開発会社への外注費300万円を「月額数千円〜」に圧縮する手段
- ✅ エンジニアと会話できなくても、自力でサービスを公開する方法
- ✅ MVP(最小機能製品)を1週間でリリースし、市場の反応を見るスピード感
1. Bubble:圧倒的な王。作れないものはない。
価格: Free 〜 $32/mo / 検索ワード: Bubble NoCode
どんなツール?
NoCode界のラスボスです。データベース設計、ワークフロー、UI構築のすべてが1つの画面で完結します。決済機能(Stripe)やAPI連携も自由自在で、Airbnbのクローンサイト程度なら、慣れれば数日で組み上がります。
【例え話で理解する】Bubbleは、「設計図も材料も完璧に揃った『動くレゴ』の要塞」のようなものです。一般的なWebサイト制作ツールが「用意された家具を並べるだけ」なのに対し、Bubbleは「家具の引き出しを開けた時に音が鳴り、その音が鳴ったら隣の部屋の電気がつく」という複雑な仕組み(ロジック)を、プログラミングなしで組み立てられます。つまり、このツールを使いこなせないのは、レゴのパーツが揃っているのに説明書を読まずに「家が建たない」と嘆いているのと同じです。
🛠 おすすめの設定・使い方
- プラグインの厳選: なんでもかんでもプラグインを入れると重くなります。まずは「API Connector」を使い倒し、外部サービスと直接会話させるのが中級者への近道です。
- データベース設計を紙に書く: 画面を作る前に、どんなデータ(ユーザー名、価格など)が必要か紙に書き出すこと。家を建てる前に基礎工事をサボると、後で必ず倒壊します。
- 【裏技】 Bubble内部のDBではなく、外部DB(Xanoなど)を接続する「ヘッドレス構成」にすると、将来10万ユーザー規模になっても耐えられます。
✅ ココが凄い (Pros)
- 自由度の暴力: 独自のSNS、マッチングアプリ、予約システムなど、ほぼ全てのSaaSを再現可能です。
- エコシステムの広さ: 困ったらYouTubeに無数の解説動画があり、マーケットプレイスで「マッチングサイトのテンプレート」を買えば、5分で土台が完成します。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- 学習コストの高さ: 多機能すぎて、初心者だと最初の3日間は「何が分からないのか分からない」状態になります。
- ベンダーロックイン: Bubble専用の言語で構築するため、将来的にソースコードを書き出して他サーバーへ引っ越すことは不可能です(※API連携でデータは抜き出せますが、ロジックは手放すことになります)。
💡 新規事業主へのベネフィット
Before:「開発会社との打ち合わせに1ヶ月。見積もり修正に2週間。ようやく開発が始まったと思えば、ボタン一つ動かすだけで追加費用が発生し、気づけば予算は底をつく。」
After:「夜中に思いついた改善機能を、翌朝のコーヒーを飲みながら自分で実装。昼にはユーザーがその新機能を使っている。この圧倒的なPDCA速度が、大企業を出し抜く武器になる。」
【具体的な時短効果】
- 開発期間:6ヶ月 → 2週間
- 月間換算:約420時間の削減
- 年間で考えると:約5,000時間 = 本来のコア業務に使える1年分以上のリソースを確保できます。
2. WeWeb:美しいUIとスケーラビリティの融合
価格: Free 〜 $39/mo / 検索ワード: WeWeb NoCode
どんなツール?
「デザインの美しさ」と「エンジニアもうなる拡張性」を両立したツールです。Bubbleが「全部入り」なのに対し、WeWebはフロントエンド(見た目)に特化し、データベースは好きなものを選べる「分業型」の王者です。
【例え話で理解する】WeWebは、「最強のカスタマイズが可能な、超高性能な舞台装置」です。役者(データ)はどこから連れてきてもいい(Googleスプレッドシートでも、専用DBでも)。WeWebという舞台に乗せれば、最高にスタイリッシュで使いやすい演出が施されます。つまり、デザインで競合に差をつけたいなら、この舞台を選ばない手はありません。
🛠 おすすめの設定・使い方
- Supabaseとの連携: データベースに「Supabase」を選ぶことで、銀行級のセキュリティと高速な動作を手に入れられます。
- レスポンシブ設定の徹底: WeWebはスマホ表示の微調整が非常に優秀です。プレビューを見ながら1ピクセル単位で調整しましょう(編集部内では、この精密さに『変態的だ』と賞賛が上がりました)。
✅ ココが凄い (Pros)
- SEOに強い: 生成されるコードが綺麗なため、Google検索で上位を狙いやすい。
- コードの書き出し: Bubbleと違い、月数万円のプランならソースコードを書き出して自社サーバーで運用できます。これは事業売却(M&A)を視野に入れるなら最大のメリットです。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- バックエンドは別売り: データを保存する場所(DB)を別途用意する必要があるため、導入の手間がBubbleの1.5倍ほどあります。
📊 全ツール比較表
| ツール名 | 価格 | 自由度 | 習得難易度 | おすすめ度 ||———|——|————|————|———-|| Bubble | $32~/mo | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ || WeWeb | $39~/mo | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
【編集長の推奨フロー】
- まずは Bubble で「動くもの」を最速で作る。
- デザインの洗練や、将来的な脱NoCode(自社開発)を見据えるなら WeWeb を検討する。
- どちらにせよ、まずはプロトタイプを1つ公開する。
💰 ROI(投資対効果)計算
前提条件:
- あなたの時給:3,000円(副業・事業主レベル)
- ツール導入による節約:外注のやり取り・仕様書作成など月40時間
計算:
- 月間節約金額:40時間 × 3,000円 = 120,000円
- 最大の開発費節約:外注費3,000,000円 – ツール年額50,000円 = 2,950,000円の利益
つまり、外注の手間とコストを考えれば、初月から圧倒的な黒字。自社でスキルとして蓄積される価値は計り知れません。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 英語が苦手ですが使えますか?
A: AI翻訳を活用すれば余裕です。エディタ内は英語ですが、専門用語さえ覚えれば(Data, Workflow等)、中学英語レベルで十分。動画チュートリアルも、YouTubeの字幕機能を使えば解決します。
Q2. セキュリティが心配です。個人情報を扱っても大丈夫?
A: BubbleやSupabase(WeWebのDB)は、世界中のスタートアップが利用しており、ISO認証も取得しています。むしろ、素人のエンジニアが適当に組んだセキュリティより、100倍堅牢です。
Q3. サービスが成長して、NoCodeで対応できなくなったら?
A: その時は「嬉しい悲鳴」です。WeWebならコードを書き出して開発を引き継げますし、BubbleでもAPIを介して機能を追加できます。そもそも、300万円かけて作ったものが「1人も使われない」リスクの方が、NoCodeの制限より1億倍怖いです。
🎯 まとめ
「エンジニアがいないから始められない」という言い訳は、今日で終わりです。
- とにかく1ツールで完結させたい → Bubble
- デザインと、将来の拡張性を重視したい → WeWeb
- 開発費300万円を浮かせて広告費に回したい → どちらか今すぐ触る
まずは、今日中にBubbleのアカウントを作ってください。明日にはあなたのアイデアが、画面の中で動き始めているはずです。
ツールへの投資を渋り、外注見積もりに一喜一憂するのは、「目的地が1km先なのに、タクシー代をケチって何時間もかけて最適なルートを地図で調べている」ようなものです。さっさとツールという車に乗って、目的地へ加速してください。
【最後に編集長から一言】編集部でもかつて、30万円かけて発注した機能が、Bubbleを使えば2時間で(しかも無料で)実装できることに気づき、膝から崩れ落ちたスタッフがいます。あなたにはその絶望を味わってほしくない。NoCodeは「魔法」ではありませんが、あなたの「実行力」を100倍にする武器にはなります。
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