民主主義の「バグ」を利用した国家乗っ取り:チリ・クーデターの恐るべきカラクリ

「自由」をエサに、国民の財布をカラにした。南米で起きた歴史上もっとも残酷な「国家アップデート」の正体を知っていますか?


## チリ・クーデターの表向きの理由と、教科書が教えない「本当の違和感」

1973年9月11日。この日付を聞いて、多くの若者は「9.11テロ」を思い浮かべるかもしれません。でも、歴史を動かしたもう一つの「9.11」が、南米のチリで起きました。

青い空に、突如として鳴り響く爆音。大統領官邸が爆撃され、黒煙が上がります。「独裁から国を守るためだ!」銃を構えた軍隊が叫びます。

教科書的に言えば、これは「チリ・クーデター」。当時のアジェンデ大統領が「共産主義(みんな平等、国が管理!)」に突き進んだせいで、経済がめちゃくちゃになり、それを止めるために軍が立ち上がった……というストーリーです。

「へぇ、国を守るための正義のヒーローが登場したんだね」そう思ったあなた。……残念、100点満点中、0点です。

実はこれ、ヒーローショーではなく、「他人の家の財布を合法的に奪うために、家主を追い出した強盗事件」だったんです。もしあなたが、今使っているスマホの月額料金がいきなり10倍になり、水道代も電気代も全部「海外の金持ち」にピンハネされるようになったとしたら?

チリで起きたのは、まさにそういう「システムの書き換え」でした。


## シカゴ学派(経済学者)はいかにしてチリ・クーデターで莫大な富を得たのか?

この事件で、汗一つかかずに満面の笑みを浮かべていた「真の受益者」がいます。それは、銃を持った軍人ではありません。アメリカの「シカゴ学派」と呼ばれる経済学者のエリートたちと、米国の巨大な銅山企業です。

これを、今の僕たちの世界で例えてみましょう。

「課金ゲー」に例えれば一発でわかる

想像してみてください。あなたが楽しんでいるオンラインゲームがあります。そこへ、「シカゴ学派」という名の運営コンサルがやってきました。

彼らは言います。「このゲーム、全然儲かってないじゃん。もっと効率よく稼ごうぜ。まずは『無課金勢』に向けた回復ポイントや無料アイテムを全部廃止しよう。全部有料ガチャにするんだ。え? 文句言うプレイヤー(国民)がいるって? そいつらは全員BAN(虐殺・追放)しちゃえばいいんだよ

これが、チリで起きたことの正体です。

最大の受益者とその獲得内容:

  1. 米国の銅山メーカーなど: アジェンデ大統領が「チリの資源(銅)はチリ人のものだ!」と国有化したのを、クーデターによって「いや、やっぱりアメリカ企業のものです」と奪い返しました。
  2. シカゴ学派(ショック・ドクトリンの実践者): 「新自由主義」という、究極の放置プレイ経済理論を試すための「人体実験場」としてチリを手に入れました。

彼らにとって、チリの国民は「人間」ではなく、「実験用のマウス」に過ぎなかったのです。

「えっ、でも経済が良くなるならいいじゃん?」そう、ここからが地獄の始まりでした。


## チリ・クーデターによるシステム変更:【社会主義 → 新自由主義】への激変

この事件は、単なる政権交代ではありません。国家の「OS(基本ソフト)」を強制的に書き換えたアップデートでした。

Before:アジェンデ大統領の「みんなで分け合おうOS」

  • 牛乳を子供たちに無料で配る。
  • 銅山などの大事な資源は国が管理して、利益を福祉に回す。
  • 学校や病院は基本無料。

After:ピノチェト独裁+シカゴ学派の「究極の課金OS(新自由主義)」

  • 公共サービスの全民営化: 水道、電気、年金、教育、すべてを民間企業(特に海外企業)に売り飛ばす。
  • 解雇の自由化: 「明日から来なくていいよ」が当たり前。
  • 関税の撤廃: 国内の小さな工場は、海外の安い製品に負けて全滅。

これをさらに分かりやすく、あなたの生活に繋げてみましょう。

今の日本でも、「水道を民営化しよう」「JRを分割して利益を出そう」という話がありますよね? チリはその「究極の先取りモデル」だったんです。

「ショック・ドクトリン」という言葉があります。災害やクーデターで国民がパニック(ショック状態)になっている隙に、普段なら絶対に反対されるような「金持ちに都合のいい法律」を一気に通してしまう手法です。

チリ国民が「軍隊怖い! 撃たれたくない!」と震えている間に、シカゴ学派の学者たちは、まるでレストランのメニューを選ぶように、チリの国富を海外企業へ切り売りしていきました。


## チリ・クーデターの裏側:CIAが仕掛けた「経済崩壊」という名の罠

「でも、そもそもアジェンデ大統領の時代に経済がボロボロだったから、クーデターが起きたんでしょ?」そう思ったあなたは、鋭い。でも、その「経済ボロボロ」すら、演出されたものだとしたら?

当時のアメリカ(ニクソン大統領とキッシンジャー)は、南米に「共産主義(アメリカの言うことを聞かない国)」ができるのを死ぬほど嫌っていました。

そこで彼らが裏側で何をしたか。「チリの経済を叫ばせろ(Make the economy scream)」という命令を出したのです。

  1. 経済封鎖: チリへの融資をストップさせ、部品が入ってこないようにする。
  2. ストライキの支援: トラック運転手の組合に裏金を渡し、わざと物流を止めさせて、街に「モノがない状態」を作り出す。
  3. 情報操作: メディアを使って「今の政府のせいで飯が食えないぞ!」と煽る。

これ、現代のSNSでもよく見ませんか?特定のターゲットを徹底的に叩き、不満を爆発させて、自分が望む方向へ世論を誘導する。この「工作」の完成形がチリ・クーデターだったわけです。

ピノチェトという軍人が大統領の座についた瞬間、それまで止まっていたアメリカからの援助や投資が、まるで蛇口をひねったようにドバドバと流れ込み始めました。「ほら、軍事政権になったら景気が良くなっただろう?」と見せるために。


## チリ・クーデターから学ぶ現代の教訓:最大の被害者にならないために

この事件で最大の被害者となったのは、他でもない「チリの一般市民」です。

「経済が成長した」というデータは確かに残りました。しかし、その中身を見てみると……

  • 金持ちはさらに信じられないほどの大金持ちになった。
  • 一般の労働者は、教育費や医療費、年金のために借金を背負い、死ぬまで働かされるようになった。
  • 反対する者は、数千人単位で行方不明(抹殺)になった。

今の世界を見渡してみてください。「民営化すれば効率的になる」「自己責任で豊かになろう」そんな言葉が溢れています。でも、その裏側で「誰が利益を得ているのか?」を考えたことはありますか?

現代を生き抜くための「眼鏡」

チリ・クーデターの教訓は、「極端なルール変更(アップデート)には、必ず裏で笑っているプロデューサーがいる」ということです。

  • SNSで誰かが過激に叩かれているとき。
  • 突然、私たちの生活に欠かせないインフラのルールが変わるとき。
  • 「これが唯一の正解だ」と強い力で押し付けられるとき。

そんなときは、チリの歴史を思い出してください。「あ、これ、あの時のショック・ドクトリンじゃない?」と疑えるようになるだけで、あなたの財布と人生を守る防御力は格段に上がります。

歴史は、過去の退屈な授業ではありません。今、あなたのスマホに表示されているニュースの「裏側」を読み解くための、最強の攻略本なのです。

次は、どの「歴史の裏側」をのぞいてみますか?

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