第一次オイルショックの真実:なぜトイレットペーパーが消え、アメリカの「ドル」は最強の神になったのか?

「中東の戦争でガソリンが上がった」なんて、教科書の薄っぺらな記述を信じるな。これは、金(ゴールド)という裏付けを失った「ただの紙切れ」だった米ドルが、石油を人質に世界最強の『絶対君主』へと返り咲いた、壮大な大逆転劇の物語だ。


## 第一次オイルショックの表向きの理由と、教科書が教えない違和感

1973年。日本のスーパーから、突如として「トイレットペーパー」が消えた。人々は血眼になって棚に群がり、奪い合い、主婦が叫ぶ。テレビをつければ「ガソリン代が4倍になるぞ!」とキャスターが煽る。街のネオンは消え、深夜放送も自粛。日本中が「もう終わりだ」という絶望的なパニックに包まれていた。

学校の教科書にはこう書いてある。「第四次中東戦争で、アラブ諸国がイスラエルを支援する欧米を懲らしめるために、石油の値段を上げて輸出を止めた。それがオイルショックだ」と。

……でも、ちょっと待って。おかしくない?

もし、君がアラブの産油国のリーダーだとする。嫌いな国(アメリカ)に嫌がらせをしたいのなら、石油を売るのを止めるのはわかる。でも、その結果「アメリカの通貨(ドル)」が世界で一番必要とされる状況になるって、矛盾してないか?

普通、ケンカを売られたら相手の通貨なんて使いたくないはず。それなのに、この事件の直後、世界中の国々が「必死にドルをかき集めて、アメリカに貢ぐ」という謎のシステムが完成したんだ。

これは単なる「戦争の余波」じゃない。実は、崩壊寸前だった「アメリカ・ドル」を救うために仕組まれた、世界OSの強制アップデートだったんだ。


## 米国ドル(ペトロダラー)はいかにして第一次オイルショックで莫大な富を得たのか?

この話を理解するために、当時のアメリカを「倒産寸前の人気ブランドショップ」に例えてみよう。

1970年代初頭、アメリカ(店)はベトナム戦争で使いすぎて、レジの中がカラッポだった。それまで「ドルの引換券を持ってきたら、本物の金(ゴールド)と交換するよ!」と言っていたのに、急に「ごめん、もう金(ゴールド)は渡せないわ。でも、この紙(ドル)は今まで通り価値があるから使ってね!」と開き直った(ニクソン・ショック)。

当然、世界中の客(諸外国)はブチギレる。「金と交換できない紙切れなんて、ただのゴミじゃん!」と。

ドルの価値は暴落寸前。アメリカは世界一の権力者の座から転げ落ちるはずだった。そこで彼らが目をつけたのが、砂漠の下に眠る「黒い黄金」――石油だ。

【最強の例え話:ニンテンドープリペイドカードの刑】

想像してみてほしい。君の学校に、めちゃくちゃ態度のデカイAくん(アメリカ)がいる。Aくんはみんなから100円ずつ借金しまくり、返せなくなった。みんなが「金返せ!」と迫る中、Aくんは学校の食堂(産油国)のボスと裏で手を組んだ。

Aくんは食堂のボスにこう言った。「これから食堂のご飯は、俺が発行する『Aくんカード(ドル)』でしか買えないルールにしろ。その代わり、お前らが稼いだ『Aくんカード』を俺が運用して、もっと増やしてやるし、お前のSP(軍事支援)もしてやる」

翌日から、生徒たちは絶望した。学食でパンを買うには、まずAくんのご機嫌を取って「Aくんカード」を手に入れなきゃいけない。どんなにAくんが嫌いでも、飯を食うためには彼のカードが必要になる。こうして、Aくんの権力は「借金まみれの内情」を無視して、爆発的に復活した――。

これが「ペトロダラー・システム」の正体だ。

「セブン・シスターズ」と呼ばれた欧米の巨大石油資本(国際石油資本)とアメリカ政府、そして産油国の利害が一致した瞬間。原油価格が4倍になれば、世界中で「石油を買うためのドル」の需要も4倍になる。

石油を売って大儲けした中東の王様たちは、そのドルの使い道に困り、結局アメリカの銀行に預け、アメリカの国債を買った。「世界中の金が、石油を経由してアメリカに吸い取られる」という、究極の集金マシーンが完成したんだ。


## 第一次オイルショックによるシステム変更:[Before]から[After]への激変

この事件は、世界の「OS(基本システム)」を根本から書き換えてしまった。

【Before】金本位制(ゴールドが主役)

  • お金の価値は「本物の金(ゴールド)」が担保していた。
  • 欲しければ金を掘るか、貿易で稼ぐしかなかった。
  • アメリカも、持っている金の量以上にお札を刷ることはできなかった。

【After】石油本位制(エネルギーが主役)

  • お金の価値は、現代社会の血液である「石油」が担保するようになった(通称:ペトロダラー)。
  • 石油を輸入する全ての国(日本など)は、常にドルをストックしなければいけなくなった。
  • アメリカは、ただ「紙を刷る」だけで、世界中の資源や製品を買い叩ける「チート能力」を手に入れた。

このアップデートにより、日本をはじめとする資源のない国々は、アメリカの経済政策一つで人生を左右されるようになったんだ。私たちが毎日払っている電気代やガソリン代、コンビニの弁当の価格……。これら全てに「ドルの機嫌」が上乗せされている。オイルショックは、私たちが「アメリカの財布の一部」に組み込まれた瞬間だったと言える。


## 第一次オイルショックから学ぶ現代の教訓:日本が被害者にならないために

この事件で最大の被害を受けたのは、実は日本のような「真面目な製造業の国」と、自国通貨が弱い「発展途上国」だ。

日本は資源がないから、必死に汗水垂らして車や家電を作って売った。でも、その稼ぎの多くは「高騰した石油代」として、ドル経由でアメリカや産油国に流れていった。途上国に至っては、石油代を払うためのドルが足りず、アメリカからドルを借りて、その利息で一生首が回らなくなる「債務危機」に陥った。

「ルールを作る奴が、一番強い。」

これが、第一次オイルショックが私たちに突きつける、最高にエグい教訓だ。彼らは「戦争」や「危機」をきっかけに、自分たちに都合のいいように世の中の規約(規約同意にチェックを入れるボタン)を書き換える。

現代の私たちに置き換えてみよう。

  • 「無料アプリ」だと思って使っていたら、いつのまにか個人情報を全部抜かれている。
  • 「便利だから」と使っているキャッシュレス決済の裏で、数%の手数料を永遠に吸い取られている。

これらは全て、小さなオイルショックだ。一度システムの中に組み込まれてしまうと、そこから抜け出すのは至難の業。

「今は何が『石油』の代わりになっているのか?」「誰がルールを書き換えて、得をしているのか?」

明日、ニュースで「原油価格上昇」や「円安」の文字を見たら、単なる物価の話だと思わないでほしい。それは、50年前から続く「ドルの集金システム」が、今もなお君の財布からエネルギーを吸い取っている音なのだから。

賢い君なら、その眼鏡を通して世界を見れば、次に誰が仕掛けてくるかが見えてくるはずだ。

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