GM路面電車買収・撤廃事件:なぜ日本の電車は最強で、アメリカの電車は全滅したのか?

「移動の自由」という名の罠。あなたの街から電車を盗み、ガソリン代を永遠に搾り取る「史上最強の押し売り」の真実。


## GM路面電車買収・撤廃事件の表向きの理由と、教科書が教えない違和感

想像してみてください。あなたは1930年代のアメリカ、ロサンゼルスに住む若者です。外に出れば、ガタゴトと心地よい音を立てて走る「路面電車(ストリートカー)」が街中に張り巡らされています。排気ガスも出ないし、渋滞もない。安くて正確。まさに「最強の公共交通」です。

しかし、ある日を境に、街の景色が急変します。

「これからはバスの時代だ!路面電車は古臭いし、道路の邪魔だよね?」

そんなキャッチコピーと共に、ピカピカの新型バスが登場します。そして、あれほど便利だった路面電車の線路が、次々とアスファルトで埋め立てられていきました。

教科書にはこう書いてあります。「モータリゼーション(自動車化)の波が押し寄せ、消費者が自らマイカーを選んだ。路面電車は時代のニーズに合わなくなり、自然に淘汰されたのだ」と。

……ちょっと待ってください。それ、本当ですか?

実はこれ、スマホアプリのサブスク解約をわざと難しくするようなレベルの話じゃありません。「ライバル企業のインフラを物理的に破壊して、自分たちの商品しか選べないようにした」という、ビジネス界の禁じ手中の禁じ手が行われた事件なんです。

帳簿(バランスシート)の裏側を覗くと、そこには「消費者の選択」なんて綺麗な言葉では片付けられない、ドロドロのマネーゲームが隠されていました。


## GM(ゼネラルモーターズ)はいかにして路面電車廃止で莫大な富を得たのか?

この事件の「真の黒幕」にして「最大の受益者」、それは世界最大の自動車メーカー、GM(ゼネラルモーターズ)です。彼らは一人ではありませんでした。タイヤのファイアストン、石油のスタンダード・オイル(現Chevron等)と手を組み、ある「幽霊会社」を作ります。

その名も、ナショナル・シティ・ラインズ(NCL)

このNCLという会社、表向きは「バス運営会社」でしたが、実際はGMたちが資金を出し合って作った「路面電車暗殺用の子会社」でした。

【最強の例え話】任天堂がソニーを買収して「PS5を全部叩き壊した」ら?

この構造を現代風に例えるなら、スマホゲームの業界でイメージしてみてください。

  1. あなたは「基本プレイ無料・通信料0円」の超優良ゲームアプリ(路面電車)で遊んでいます。
  2. そこに、有料ガチャ課金制ゲームを売りたい会社(GMたち)が現れます。
  3. 彼らは、あなたが遊んでいる「無料アプリ」の運営会社をこっそり買収します。
  4. 買収した直後、彼らは「このアプリは古いから、明日からサーバーを爆破して消去します!」と宣言します。
  5. さらに、街中のWi-Fiスポット(線路)を全て撤去し、「これからは俺たちが売る高い通信端末(自家用車)と、高い通信料(ガソリン・タイヤ)を払わないと、外の世界と繋がれないよ」と突き放します。

「いや、そんなの独占禁止法で一発アウトだろ!」と思いますよね?そう、だからこそ彼らは「暗殺」のように静かに、そして組織的にそれを行ったのです。

GMたちは全米45以上の都市で、この「買収して、壊して、バスに変える(そしてそのバスはGM製、燃料はスタンダード・オイル製、タイヤはファイアストン製にする)」というコンボを決めまくりました。

GMの幹部は笑いが止まりませんでした。「電車に乗られたら1回数十円しか儲からないが、車を売りつければ1台数十万円、さらにガソリンとタイヤで死ぬまで課金し続けさせられる」と。


## GM路面電車買収・撤廃事件によるシステム変更:公共インフラから「私的消費」への激変

この事件は単なる「乗り物の交代」ではありません。人類のOS(生活様式)が、Before「みんなで効率よく使う」から、After「一人一台、強制的に買わされる」へと書き換えられた、歴史的なアップデートでした。

1. 「歩ける街」のデリート(削除)

路面電車があった頃、人々は駅を中心に歩いて暮らしていました。しかし、線路が剥がされ、広大な駐車場と高速道路が作られると、「車を持っていない人間は、コンビニにパンを買いにすら行けない」という過酷な環境(フードデザート問題)が生まれました。

2. 「公共の利益」を「株主の利益」へ

もともと公共交通は「みんなが安く移動できること」が目的でした。しかし、GMたちが介入したことで、移動は「自動車企業の利益を最大化するための手段」に成り下がりました。

3. 都市構造の「不可逆的な」アップデート

一度線路を剥がして、その上に巨大なハイウェイを作ってしまうと、もう元には戻せません。アメリカの都市から「情緒ある街並み」が消え、どこに行っても同じようなショッピングモールと広い道路しかない「つまらない景色」になった原因は、この時、彼らが下した決断にあります。

この「OSの書き換え」によって、アメリカ人は「車を所有し、維持費を払い続け、ガソリンを買い続ける」という、終わりのないサブスクリプション契約に、強制的にサインさせられたのです。


## GM路面電車買収・撤廃事件から学ぶ現代の教訓:企業の「囲い込み」の被害者にならないために

この事件の結果、最大の被害者となったのは「都市の住民」、つまり普通の人々です。彼らが失ったのは、単なる電車ではありません。

  • お金: 年間の1/3は、車という「走る負債」を維持するために働くことになった。
  • 時間: 世界最悪の渋滞に巻き込まれ、人生の貴重な時間をアスファルトの上で捨てることになった。
  • 環境: 排気ガスによって空は汚れ、気候変動の引き金の一つとなった。

「便利になったじゃないか」という反論もあるでしょう。確かに、車は自由です。しかし、その自由は「それ以外を選択できない」という不自由の上に成り立つ、作られた自由なのです。

私たちが明日からニュースを見るための「眼鏡」

実は、これと同じことは現代でも起きています。

  • SNSプラットフォームが、他のサイトへのリンクを貼りにくくして「囲い込む」動き。
  • スマホの充電端子を独自規格にして、他社製品を使えなくする古い手法。
  • 安価で優れた技術が、既存の利権を持つ巨大企業のロビー活動によって「規制」される動き。

GM路面電車買収・撤廃事件は、1949年に有罪判決(連邦議会で独占禁止法違反)を受けていますが、課された罰金はわずか数千ドルでした。莫大な利益に比べれば、鼻クソみたいな金額です。

最後に、あなたに問いたい。

あなたが今、当たり前だと思っている「生活のルール」や「使わされているサービス」は、本当にあなたの意志で選んだものですか? それとも、80年前のアメリカのように、誰かが「儲けるため」にあなたの街の線路をこっそり剥がした結果、そこに辿り着かざるを得なかっただけではありませんか?

次にニュースで「新しい技術への規制」や「巨大企業の買収劇」を見たとき、この路面電車の話を思い出してください。「あ、また誰かが俺たちの線路を剥がそうとしているな」と。

そう気づくだけで、あなたの財布と未来は、少しだけ守られるはずです。

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