「敵をあぶり出す」という綺麗な嘘。その裏で笑っていたのは、あなたの隣にある「あの巨大企業」だった。
枯葉剤散布の表向きな理由と、教科書が教えない「在庫処分」の違和感
想像してみてください。あなたは今、友だちとサバゲー(サバイバルゲーム)をしています。相手は地元の地形で、生い茂る草むらに隠れて全然見つかりません。イライラしますよね?
そこで、あるチームメンバーがこう言い出しました。「この草、全部枯らしちゃえば良くね? 隠れる場所がなきゃ、俺たちの勝ちじゃん!」
これが、1960年代にベトナム戦争でアメリカ軍が実際にやったこと。名付けて「ランチハンド作戦(手際よく片付けるの意)」です。
表向きの理由は、こうです。
- 「ゲリラの隠れ場所を奪うため(森林破壊)」
- 「敵の食料を奪うため(農作物の破壊)」
一見、戦争を早く終わらせるための合理的な戦略に見えますよね。でも、ちょっと待ってください。もし、そのために使った「除草剤」が、普通の雑草を枯らすレベルを遥かに超えた「史上最悪の猛毒」だったとしたら?
帳簿(バランスシート)を覗いてみると、そこには「平和のため」なんて言葉は一文字もありません。そこにあるのは、「あまった猛毒を、いかに国費(税金)で高値で売りつけるか」という、企業の冷酷なそろばん勘定だけだったのです。
モンサントとダウ・ケミカルはいかにして枯葉剤で莫大な富を得たのか?
この事件で、いわゆる「ラスボス(受益者)」として君臨したのが、アメリカの巨大化学メーカー、モンサントとダウ・ケミカルです。
えっ、聞いたことある? そう、モンサント(現在はバイエルに買収)は、私たちが普段食べている野菜の「種」や「農薬」の世界シェアNo.1だった企業です。
彼らは、この戦争を「在庫処分セール 兼 公共事業の打ち出の小槌」として利用しました。
【最強の例え話:メルカリで「禁止されている劇物」を政府に売る方法】
例えるなら、こんな感じです。あなたはスマホケースを作っている企業だとして、製造工程をミスって「触るだけで指が溶けるスマホケース」を1万個作ってしまいました。普通なら廃棄処分で大赤字。警察に捕まるレベルです。
でも、 ahí(そこで)軍隊がやってきて言います。「おい、今度の運動会で相手の足を滑らせたいから、そのヤバいケースを全部買い取るよ。言い値でいいぜ!」
企業は大喜びです。「ラッキー! 捨てるはずだった欠陥品が、税金で飛ぶように売れるぞ!」
これが枯葉剤の正体です。枯葉剤には、製造過程で不純物として「ダイオキシン」が混じっていました。ダイオキシンは、「人類が作った最強の毒物」のひとつ。青酸カリの1,000倍以上の毒性があり、わずか1グラムで数千人を殺せると言われています。
企業側は、この毒性の強さを事前に知っていました。「これ、ちょっとヤバすぎませんか?」と部下が聞いたかもしれません。でも、上層部はこう答える。「気にするな。これは『兵器』じゃない、『除草剤』として売るんだ。契約を取り逃がすな」
結果、ベトナムの空から約8,000万リットル。25mプール約32,000杯分の猛毒が、まるで恵みの雨のように、村や子供たちの上に降り注いだのです。
枯葉剤によるシステム変更:農業技術が「化学兵器」へと激変した瞬間
この事件は、単なる戦争の悲劇ではありません。人類の歴史における「OSのアップデート(ルールの書き換え)」が行われた瞬間でした。
【Before】農業:植物を育て、人を健康にするための技術 ↓【After】化学兵器:効率的に「生命の設計図」を破壊し、遺伝子を書き換える技術
このアップデートが恐ろしいのは、「ターゲットが敵兵だけじゃない」という点です。
枯葉剤に含まれるダイオキシンは、一度環境に放出されると、水や土、魚、そして母乳を通じて、人々の体内に蓄積されます。そして、その人のDNA(設計図)をハッキングして書き換えてしまう。
その結果起きたのが、「ベトちゃんドクちゃん」に代表される、凄惨な結合双生児や先天性障害の多発です。戦争は1975年に終わりました。しかし、枯葉剤という「見えない爆弾」は、ベトナムの人々の血の中に生き続け、第2世代、第3世代、そして今この瞬間も、五体満足で産まれてこれない子供たちを生み出し続けているのです。
これは、かつての「剣と盾」の戦争から、「毒と遺伝子」の戦争へ。勝敗が決まった後も終わりが来ない、永遠のデバッグ(修復)を強いられる、呪いのシステムへの変更だったのです。
枯葉剤から学ぶ現代の教訓:最大の被害者にならないために
この事件で最大の被害者となったのは、ベトナムの罪なき子供たち。そして、皮肉にも、その毒を「安全だから大丈夫」と言われて浴びせられた、アメリカ軍の退役軍人たち自身でした。
今、この話を読んでいるあなた。「昔の、遠い国の話でしょ?」と思っていませんか?
実はこれ、あなたの財布や健康と、地続きの話なんです。
「安全」の定義は、巨大企業のロビー活動で作られる。枯葉剤を作った企業は、戦後も「ダイオキシンと病気の因果関係はない」と何十年も主張し続け、賠償を拒んできました。これ、今の食品添加物や新しい薬品の利権構造と、全く同じ構図だと思いませんか?
一度システムに組み込まれた「毒」は、取り除くのが難しい。枯葉剤の跡地であるベトナムの土壌浄化には、今も途方もない時間とお金がかかっています。一度壊れた環境や健康は、最新のiPhoneを買い換えるようには元に戻りません。
情報弱者は、実験台にされる。「ジャングルを枯らすだけ」という甘い言葉を信じて、防護服もなしに散布作業をした兵士たちの結末を見てください。
「教科書が言っているから正しい」「国が決めたことだから安全」その眼鏡を、一度外してみてください。
現代を生きる僕たちにできる唯一の防衛策は、「このカネは、誰のポケットに入っているのか?」という視点を持つことです。
ニュースの裏側にある「強欲な企業のバランスシート」を読み解けるようになったとき、あなたは初めて、誰かに操られる「駒」から、自分の人生を歩く「プレイヤー」になれるのです。
次にコンビニで何かを買うとき。その商品の「裏側」に、第二の枯葉剤が隠れていないか、ちょっとだけ疑ってみませんか?
コメント