「昨日まで健康だった隣人が、急に死ぬ。」全米が震えた恐怖の裏側で、売れ残りの“毒薬”を1兆円の宝の山に変えた錬金術師たちがいた。
## HIV/AIDSパニックの表向きの理由と、教科書が教えない違和感
1981年、アメリカ。世界がひっくり返るようなニュースが飛び込んできました。「原因不明の免疫不全で、若者が次々と死んでいる」。
最初は「ゲイの病気」なんて偏見とともに語られていたけれど、すぐにそれは「誰でもかかる死の病」として、全人類を恐怖のどん底に突き落としました。テレビをつければ毎日、骨と皮だけになった患者の姿が映し出され、学校では「プールの水でうつるかも?」「握手は危ない?」なんてデマが飛び交う。
まさに、世界中がパニック映画の真っ只中に放り込まれたような状態です。
教科書にはこう書いてあります。「未知のウイルスHIVによって引き起こされた悲劇に対し、科学者たちが立ち上がり、ついに特効薬を見つけ出した」と。
……でも、ちょっと待ってください。
ビジネスの鉄則は「需要があるところに供給が生まれる」こと。このパニックで、世界中の国々が「公衆衛生予算」という名のアリに、湯水のごとくカネを注ぎ込みました。そのカネ、一体どこへ消えたと思いますか?
帳簿をめくっていくと、死の影に隠れて「ニヤリ」と笑う、スーツ姿の男たちの影が見えてくるんです。
## 製薬会社(Burroughs Wellcome等)はいかにしてHIV/AIDSパニックで莫大な富を得たのか?
この物語の「影の主役」は、バロウズ・ウェルカム社(現在のグラクソ・スミスクラインの一部)という製薬会社です。彼らは、ある「ゴミ」を抱えて困っていました。
それが、のちに世界初のAIDS治療薬として承認される「AZT(アジドチミジン)」です。
【最強の例え話:スマホの超低速制限】
これをスマホに例えてみましょう。あなたは最新のiPhoneを買いましたが、ある日突然、原因不明のウイルスで「通信速度が一生128kbpsに固定される」という怪談が流行ったとします。SNSも動画も使えない。絶望ですよね。そこへあるベンチャー企業が、「このアプリを月額10万円で入れれば、通信制限は解除されないけど、とりあえず画面は光るよ!」と言ってきた。「高すぎだろ!」と怒る暇もありません。周りがどんどん「スマホ死亡」しているんだから、全財産を投げ打ってでもその「ゴミアプリ」を買うしかない。
これ、AZTで起きたことそのものなんです。
実はAZTは、1960年代に「抗がん剤」として開発されたものの、「あまりにも毒性が強すぎて、ガン細胞を殺す前に人間を殺しちゃうから使えない」とポイ捨てされた、いわば「産業廃棄物」でした。
ところが、製薬会社はこれに目をつけた。「HIVという未知のウイルスをやっつけるためなら、多少の毒は目をつぶるよね?」と。
悪役(受益者)の頭の中:
「おい、あのアレだ。昔失敗した『AZT』って薬、あっただろ? あれを『AIDS特効薬』としてリサイクルしようぜ。承認プロセス? そんなの簡単だ。国民を恐怖でガタガタ震えさせればいい。そうすれば、国が勝手に『早く薬を出せ!』と騒ぎ出す。治験も短縮、競争相手もなし。世界一高い薬の完成だ!」
結果、AZTは1人あたり年間数千ドル(当時の価値で相当な高額)という、史上最高レベルの価格設定で独占市場を確立。製薬会社には1兆円規模の利益が転がり込みました。
## HIV/AIDSパニックによるシステム変更:恐怖による「スピード承認」への激変
この事件は、世界の医療システムを「Before(慎重な安全確認)」から「After(恐怖駆動のスピード優先)」へと強制アップデートしてしまいました。
いわば、「ゲームの利用規約が、運営側の都合でこっそり書き換えられた」ようなものです。
変化①:臨床試験の「ショートカット」が正義になった
以前は、薬の承認には何年もかかる慎重なチェックが必要でした。しかし、ファウチ氏(当時の米国立アレルギー・感染症研究所所長)らが中心となり、「目の前で人が死んでいるんだ! 手続きなんて飛ばせ!」というロジックを確立。これにより、副作用チェックを甘くしてでも薬を早く出す「ファストトラック(優先審査)」という仕組みが一般化しました。
変化②:公衆衛生の「官僚化」と権限拡大
「感染症対策」という御旗を掲げれば、個人の自由を制限し、巨額の税金を特定の研究や企業にぶち込めるという成功体験を作ってしまった。今の私たちが体験している「パンデミック時の空気感」のプロトタイプは、すべてここにあるんです。
Before:
薬は「本当に安全か?」を何年もかけて疑うもの。
After:
新しい病気が出たら「とにかく早く新薬(または余り物の再利用)を承認せよ」というパニックが、市場を無理やりこじ開ける。
## HIV/AIDSパニックから学ぶ現代の教訓:最大の被害者にならないために
この騒動で最も傷ついたのは、間違いなく同性愛者コミュニティや血友病患者の方々でした。
彼らは「病気」への恐怖だけでなく、AZTという「非常に毒性の強い(ときには骨髄を破壊するレベルの)薬」を、希望の光だと思って飲まされた側面があります。つまり、病気で死ぬのか、薬の副作用で死ぬのかすら分からない混沌の中に放り込まれたのです。
私たちの「お財布」と「未来」への教訓は、すごくシンプルです。
世の中に「史上空前のパニック」が起きたとき、必ず得をしている誰かがいます。「怖い!」「どうにかして!」という悲鳴が上がるとき、裏側では「よし、このパニックを使ってあの規制を壊そう」「あの在庫を高く売り抜けよう」と電卓を叩いている連中がいる。
明日からニュースを見る時の「魔法の眼鏡」
- 「誰が儲かっているか?」をまず見る(Follow the Money)。
- 「恐怖」を煽る言葉が並んだら、一旦スマホを置いて深呼吸。
- 「緊急事態だからルールを破ってもいい」という声が出たら、そのルールがなくなることで誰が得をするか考える。
現代社会は、情報のサブスクリプションです。情報をそのまま飲み込むのは、中身のわからない怪しいサプリを飲むのと同じこと。「その流行りの病、本当にウイルスだけの問題? それとも大人の事情が混ざってる?」そんな冷めた視点を持つことこそが、あなたの資産と健康を守る最強のシールドになるはずです。
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