PowerShellでファイル一覧をCSV出力!手作業を卒業する1行の黒魔術

「このフォルダにある1,000個のファイル、全部リストにしてExcelで送っておいて」

上司やクライアントからそう言われた瞬間、あなたはどんな行動をとりますか?エクスプローラーを開き、ファイル名を一つずつコピーしてExcelに貼り付ける……。あるいは、スクリーンショットを撮って、それを見ながら手入力していく。もしそんな「泥臭い作業」に身を投じているのなら、今すぐその手を止めてください。

その作業、実はたった1行の「呪文」を唱えるだけで、0.1秒で終わります。

現代のビジネス現場において、ファイル管理は避けては通れない壁です。しかし、その管理のためにあなたの貴重な寿命(時間)を削る必要はありません。この記事では、Windows標準搭載の強力なツール「PowerShell」を使い、フォルダ内のファイル情報を一瞬でCSVとして吐き出す「黒魔術」を伝授します。

この記事を読み終える頃、あなたは膨大な事務作業を指先ひとつでなぎ倒し、周囲から「魔法使い」のように頼られる存在へと覚醒しているはずです。指先ひとつで、3時間の残業を0.1秒の快感に変える体験を、今ここから始めましょう。


なぜデキる人は「ファイル一覧」を手で作らないのか?

あなたは、フォルダという広大な河川敷から、ファイルという砂金を一瞬でザルですくい上げる方法を知っていますか?多くの人が、腰をかがめて一つずつ砂金(ファイル名)を拾い上げている横で、デキる人は強大な「吸引機」を使って一気に回収してしまいます。その吸引機こそが、自動化コマンドです。

コピペと手打ちに潜む「時間泥棒」の正体

なぜ、私たちは「ファイル一覧の作成」をこれほどまでに苦痛に感じるのでしょうか。それは、この作業が「単純なくせに、一瞬の油断も許されない」という、人間の精神を削る構造を持っているからです。

一つひとつのファイル名をコピーし、Excelのセルに貼り付ける。ファイルが10個ならまだしも、100個、1,000個となれば、視力は消耗し、集中力は底をつきます。SNSでは「ファイル名のコピペだけで午前中が終わった」「納品リストの作成が苦行すぎる」といった、事務職やエンジニアの悲鳴に近い声が日常的に溢れています。

この「写経」とも呼べる作業の最大の敵は、作業時間の長さだけではありません。真の恐怖は、ヒューマンエラーによる「信用の失墜」にあります。一箇所でもファイル名が間違っていれば、納品先からの信頼は揺らぎ、確認作業のためにさらに倍の時間が奪われる。これこそが、私たちのキャリアを停滞させる「時間泥棒」の正体です。

専門家の間では、「人間は単純な繰り返し作業において、3%から5%の確率で必ずミスを犯す」という見方が広がっています。つまり、手作業でリストを作る以上、あなたは「必ず間違える」という呪いにかけられているのです。この呪いを解く唯一の方法は、自分の手を動かすのをやめ、コンピュータという「間違えない代理人」に命令を下すことなのです。


0.1秒で解決!フォルダ内をリスト化する最強ワンライナー

「PC操作といえばマウスを動かすことだ」と考えている人にとって、キーボードで命令を打ち込むPowerShellは、まるで異世界の黒魔術に見えるかもしれません。しかし、その実体は非常にシンプルです。フォルダという「風景」を、一瞬で「写真(データ)」に収めるシャッターボタンのようなものだと考えてください。

呪文の公開と、各パラメータの意味を解剖する

それでは、人生を変える1行のコマンドを紹介します。以下のコードをコピーして、PowerShellに貼り付けてみてください。

Get-ChildItem | Export-Csv -Path "./filelist.csv" -Encoding Default -NoTypeInformation

この「呪文」を実行した瞬間、現在開いているフォルダの中に「filelist.csv」というファイルが生成されます。中を開けば、ファイル名、最終更新日時、ファイルサイズといった情報が、美しく整理された状態でExcelから閲覧できるはずです。

各要素を解剖してみましょう。

  1. Get-ChildItem: 「この場所にある子供(ファイルやフォルダ)を取得せよ」という命令です。学校の先生が「全員、名簿に署名して整列しろ」とメガホンで指示を出す行為に似ています。
  2. | (パイプ): 前の命令の結果を、次の命令へ流し込む「トンネル」です。
  3. Export-Csv: 受け取ったデータをCSV形式に変換して保存する翻訳機です。

このコマンドの美しさは、対象が10個だろうが10,000個だろうが、実行速度がほとんど変わらない点にあります。業界では「PowerShellを一度覚えたら、二度とエクスプローラーのコピペには戻れない」という声が少なくありません。それは、コンピュータにしかわからない言語(ファイルシステム)を、人間が読める言葉(CSV)に一瞬で翻訳する快感を知ってしまうからです。

今まで数時間かけていた作業が、エンターキーを叩いた瞬間に終わる。この「全自動」の感覚は、一度味わうと病みつきになるはずです。


失敗しないための「文字化け」対策とカスタマイズ術

「コマンドを叩いてみたけれど、Excelで開いたら文字化けして読めない!」そんな壁にぶつかったことはないでしょうか。これはPowerShell初心者が必ずと言っていいほど直面する「文字化けの呪い」です。

日本語Windows特有の-Encoding Defaultの重要性

実は、PowerShellとExcelの間には、静かな「言語の壁」が存在します。現代のIT業界では、世界共通の文字コードである「UTF-8」が標準です。しかし、日本のビジネスシーンに君臨する「Excel」の旧来バージョンや、日本語Windowsの標準設定は、いまだに「Shift-JIS」という独自の形式を好みます。

海外のエンジニアに相談すれば、「文字コードなんてUTF-8一択だろ」と一蹴されるかもしれません。しかし、私たちの目的は「現場で使えるリストを今すぐ作ること」です。そこで救世主となるのが、先ほどの呪文に含まれていた -Encoding Default というオプションです。

これを末尾に添えることで、PowerShellは「そのPCで使われている標準的な文字コード(日本の場合はShift-JIS)」で出力してくれます。

「SNSや掲示板で拾ったコードを試したけれど、日本語が全部『???』になってしまった」という悩みを持つ人は少なくありません。それは、この -Encoding Default というお守りを忘れているからです。

また、特定の情報(ファイル名とサイズだけ等)に絞りたい場合は、途中に Select-Object Name, Length を挟むといったカスタマイズも可能です。これは、ビュッフェ会場で好きな料理だけをお皿に盛るようなもの。必要なデータだけを凝縮した、あなた専用のリストが自由自在に生成できるのです。


もっと便利に!サブフォルダまで網羅する応用レシピ

基本をマスターしたあなたに、さらなる力を授けましょう。現実の仕事では、ファイルが一つのフォルダに収まっていることは稀です。「Aプロジェクト」というフォルダの中に「資料」「議事録」「納品物」といった複数の階層が分かれているのが普通でしょう。

再帰的取得(-Recurse)で全階層を支配する

深い森の中に隠れた全ての果実を見つけ出すために、いちいち全ての木を登る必要はありません。PowerShellには「再帰的取得」という、森全体をスキャンする機能が備わっています。

Get-ChildItem -Recurse | Export-Csv -Path "./full_list.csv" -Encoding Default -NoTypeInformation

追加したのは、たった一つのオプション -Recurse (リカーズ)です。「Recurse」とは「再帰」という意味。これを使うことで、現在のフォルダだけでなく、その中にある子フォルダ、さらにその中にある孫フォルダ……と、全ての階層を深掘りしてファイルを見つけ出してきます。

これは例えるなら、建物の1階から屋上まで、全ての部屋のドアを自動で開けて点呼をとるような行為です。手作業であれば、各フォルダを開いてはコピペし、また戻って次のフォルダへ……という、考えるだけで気が遠くなる作業が必要ですが、このオプション一つで全階層を「支配」することが可能になります。

「共有サーバーの中身が整理不能なほどカオスになっている」という声は、IT担当者だけでなく、あらゆる職種から聞こえてくる悩みです。そんな時、このコマンドで「カオス(混沌)」を「構造化されたリスト(秩序)」へと変換してみてください。それはまさに、エントロピーが増大し続ける宇宙において、一筋の秩序をもたらすプロセスそのものです。


「黒魔術」を扱う者が心得るべき、たった一つの注意点

ここまで、PowerShellの圧倒的なまでの便利さを強調してきました。しかし、強力な魔法には、常にリスクが伴います。

とはいえ、破壊的なコマンドには注意が必要

「コマンド一つで何でもできる」ということは、一歩間違えれば「コマンド一つで全てを消し去る」ことも可能だということです。PowerShellには、ファイルの取得(Get)以外にも、ファイルの削除(Remove)や移動(Move)といった、強力な「破壊系」の術式が存在します。初心者がネット上のコードをよく理解せずにコピー&ペーストし、うっかり削除コマンドを実行してしまった場合、ゴミ箱にすら残らずデータが消滅することもあり得ます。

だからこそ、本記事では「取得(Get)」と「出力(Export)」という、元のファイルには一切手を加えない「非破壊的」なコマンドに限定して解説しました。

「1回限りのリストなら、エクスプローラーの『パスをコピー』機能で十分ではないか?」という意見もあるでしょう。確かに、ファイル名だけが必要ならそれでも事足ります。しかし、更新日時、ファイルサイズ、隠し属性といった「目に見えない情報」まで正確に、かつ大量に抽出するなら、PowerShellに勝る手段はありません。

大切なのは、道具に踊らされるのではなく、道具の性質を理解して「使い分ける」ことです。強力な力を手に入れたからこそ、まずは無害な「リスト出力」から始め、徐々に自動化の範囲を広げていく。この誠実なステップこそが、あなたを真の熟練者へと導きます。


まとめ:今日から「時間を支配する側」へ

いかがでしたでしょうか。これまで数時間、あるいは数日かかっていた「ファイルリスト作成」という苦行が、たった1行のコマンドで終わる事実を知った今、あなたの世界は少し違って見えているはずです。

今回の要点を振り返りましょう。

  1. 手作業は「ミス」と「徒労」の温床である。
  2. PowerShellの Get-ChildItem を使えば、0.1秒で正確なデータが手に入る。
  3. -Encoding Default を忘れなければ、日本語の文字化けも怖くない。
  4. -Recurse を使えば、どんなに深いフォルダ構造も一網打尽にできる。

さて、この記事を読み終えたあなたに、まずやってみてほしいことがあります。それは、デスクトップにある「散らかったフォルダ」のリストを、試しに1回生成してみることです。成功の感覚を指先に刻んでください。

次にそのリストが必要になったとき、あなたはもう溜息をつくことはありません。落ち着いてPowerShellを起動し、呪文を唱えるだけです。浮いた時間は、コーヒーを飲む時間にあててもいいし、より創造的な「思考の時間」にあててもいいでしょう。

「PC操作=キーボードで文字を打つ」から「PC操作=命令を記述して自動化する」へ。このパラダイムシフトを経験したあなたは、もう以前の「消耗する自分」には戻れません。呪文(コード)を知る者は、時間を支配する。今日から、あなたの新しい効率化の物語が始まります。

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