【VSデザイン一から】アプリ画面の自作は「車輪の再発明」だ。巨人の肩に乗るFigma UIキット厳選5選

はじめに

デザインに携わるすべての多忙なビジネスパーソンへ。

Figmaの真っ白なキャンバスを前に、ボタンの角丸が「3pxか4pxか」で30分悩んでいませんか?断言しますが、それは時間の無駄です。アプリの基本UIをゼロから作るのは、現代において「ネジを鉄鉱石から鋳造する」ようなもの。プロトタイプはスピードが命。細部にこだわる前に、まずは完成させるべきです。

今回、巷に溢れるリソースから「本当に現場で使えるUIキット」を5つ厳選しました。なお、当初リストにあった『Sketch App Sources』は、今回の主旨である「Figma」で完結するワークフローから外れる(ファイル変換の手間が発生する)ため除外しました。また『Uplabs』の無料枠も品質にムラがあるため、プロの鑑賞に堪えるものだけに絞っています。

「巨人の肩に乗る」圧倒的な効率化ツールを、5つ紹介します。

【この記事で得られること】

  • ✅ 画面設計の時間を現在の「10分の1」に圧縮する
  • ✅ AppleやGoogle標準の「正解」を即座に実装できる
  • ✅ クライアントに「もうできたの?」と言わせる爆速プロトタイピング術

1. Apple Design Resources:OS標準の「背骨」

価格: 無料 / 検索ワード: Apple Design Resources Figma

どんなツール?

Apple公式が提供している、iOSやmacOSのコンポーネント集です。iPhoneのステータスバー、キーボード、アラートダイアログなど、OS標準のパーツが寸分違わず手に入ります。

【例え話で理解する】このキットは、いわば「レプリカではない本物の純正パーツ」です。プラモデルを作る時に、自分でプラスチックを削り出すのではなく、メーカーが配布している金型を使うようなもの。つまり、これを使わずにiPhoneアプリをデザインするのは、トヨタの車をデザインするのにタイヤを木で自作するくらい無謀な挑戦です。

🛠 おすすめの設定・使い方

  • 「Local Variables」を確認する: 最新のiOS 17/18版では、ライトモード/ダークモードの切り替えが変数化されています。色を自分で指定せず、Apple定義のセマンティックカラー(SystemBackgroundなど)をそのまま使いましょう。
  • 【裏技】: コンポーネント内の「SF Symbols」を最新版にアップデートしておくと、アイコンのウェイト調整が自由自在になります。

✅ ココが凄い (Pros)

  • 究極の正確性: 1pxのズレも許されない公式品質。開発者に「これ標準と違います」と言われる屈辱がなくなります。
  • アクセシビリティ担保: 文字サイズやコントラスト比が最初から最適化されており、手直しが不要です。

⚠️ ココが惜しい (Cons)

  • ファイルが重い: あまりに膨大すぎて、低スペックPCだとFigmaが悲鳴を上げます。必要なパーツだけ別ファイルにコピペして使うのが賢明です。

💡 デザイナーへのベネフィット

Before:「設定画面のトグルスイッチって、緑だっけ?グレーだっけ?」とSafariでスクショを探し回り、目分量でトレースする。結果、どこかパチモン臭いデザインが完成する。

After:公式のAssetsパネルからドラッグ&ドロップするだけ。本物と見紛う(というか本物の)UIが10秒で完成し、浮いた時間で「UXの設計」に集中できる。

【具体的な時短効果】

  • 1日あたり:45分節約(トレース時間の削減)
  • 月間換算:15時間節約
  • 年間で考えると:180時間 = 丸22日分の作業時間を取り戻せます。

2. Material 3 Design Kit:Androidの「北極星」

価格: 無料 / 検索ワード: Material 3 Design Kit Figma

どんなツール?

Googleが提唱する最新のデザインシステム「Material 3」を完全網羅した公式キットです。カード、フローティングアクションボタン(FAB)、ナビゲーションレールなど、モダンなUIの最適解が詰まっています。

【例え話で理解する】これは、まるで「一流シェフが用意した下ごしらえ済みの食材セット」です。あなたは炒めて味付けするだけで、高級レストランの味が再現できる。つまり、これを使えば、たとえデザインセンスに自信がなくても、「Google品質」のUIを名乗ることができるドーピングツールです。

🛠 おすすめの設定・使い方

  • Material Theme Builderを活用: プラグインと併用することで、ブランドカラーを1色入れるだけで全コンポーネントに色が反映されます。
  • 【裏技】: 状態(Hover, Focused, Pressed)がVariantとして細かく設定されているため、プロトタイプ設定で「While hovering」を繋ぐだけで一瞬でリッチな試作が作れます。

✅ ココが凄い (Pros)

  • 一貫性の鬼: 何百画面作っても、デザインが崩れません。
  • 実装との親和性: エンジニアが使うライブラリ(MUIなど)と構造が同じため、開発への引き継ぎで嫌な顔をされません。

⚠️ ココが惜しい (Cons)

  • 「Googleっぽさ」が強すぎる: そのまま使うと「どこかで見たアプリ」になりがちです。フォントや角丸のカスタムで個性を出す必要があります。

3. Untitled UI (Free version):汎用性の「王様」

価格: 無料版あり / 検索ワード: Untitled UI Figma

どんなツール?

Figma Communityで最も人気のある、世界標準のUIキットの一つです。特定のOSに依存しない「モダンなSaaS」のようなUIを作るならこれが最強です。

【例え話で理解する】これは、ファッション界における「最強のセレクトショップのマネキン買い」です。これをそのまま着れば、誰でもそれなりにオシャレに見える。中途半端な自前コーデで大火傷する前に、まずはこれをベースにするのが大人の処世術です。

✅ ココが凄い (Pros)

  • 圧倒的なパーツ数: 無料版ですら、ダッシュボード、グラフ、入力フォームなど「これが欲しかった」がすべて揃っています。
  • 整理整頓の美学: レイヤー構造が美しく、見ているだけで「Figmaの正しい作り方」の勉強になります。編集部の新人はこれを写経して成長しました。

4. UI8 – Freebies Section:インスピレーションの「宝石箱」

価格: 無料(一部有料) / 検索ワード: UI8 Free Figma

どんなツール?

高品質な有料素材マーケット「UI8」が、集客のために無料で配布している超高品質なキット群です。

【例え話で理解する】高級スーパーの「豪華すぎる試食コーナー」のようなものです。一口食べたら(ダウンロードしたら)あまりの旨さに驚くはず。ただし、試食ばかりしていると一貫性がなくなるので注意が必要です。

✅ ココが凄い (Pros)

  • トレンド感: 3Dアイコンやネオンカラーなど、最新のデザイントレンドを反映した「映える」キットが見つかります。
  • 特定ジャンルに強い: 「フィットネスアプリ」「暗号資産管理」など、テーマ特化型のキットが豊富です。

5. Figma Community – Starter Kits:集合知の「図書館」

価格: 無料 / 検索ワード: Figma Community Wireframe

どんなツール?

世界中のデザイナーが善意で公開しているテンプレート群。特に「Wireframe Kit」と名のつくものは、色を排して構造だけに集中したい時に威力を発揮します。

【例え話で理解する】これは、いわば「設計図専門の図書館」です。世界中の賢者が「これが一番使いやすい動線だ」と結論づけたテンプレートが無料で借り放題。これを利用しないのは、Googleがあるのに百科事典を引くようなものです。


📊 全ツール比較表

| ツール名 | カテゴリ | 強み | 推奨度 ||———|——|————|———-|| Apple Design | iOS公式 | 純正の安心感 | ★★★★★ || Material 3 | Android/Web | 汎用性と実装効率 | ★★★★★ || Untitled UI | SaaS/汎用 | デザインの美しさ | ★★★★☆ || UI8 Freebies | トレンド | 視覚的なインパクト | ★★★☆☆ || Community Kits | 全般 | 特定の悩み解決 | ★★★★☆ |

【編集長の推奨フロー】

  1. まず Apple/Material で土台のルールを決める
  2. 次に Untitled UI で必要なパーツを補完する
  3. 最後に UI8 で差別化のためのスパイスを加える

💰 ROI(投資対効果)計算

前提条件:

  • あなたの時給:3,000円(デザイン実務に携わる中堅層を想定)
  • ゼロからUIを作る時間:1画面あたり3時間
  • キットを使って組む時間:1画面あたり20分

計算:

  • 1画面あたりの節約時間:約2.5時間
  • 金額換算:2.5時間 × 3,000円 = 7,500円の節約

週に5画面作るなら、月間で15万円分のコストを削減していることになります。無料ツールを使うだけで、あなたの価値は月15万円分、自動的に底上げされるのです。


❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 全部無料だけど、ライセンスは大丈夫?

A: 基本的に商用利用可能ですが、キットによって「再配布禁止」や「クレジット表記推奨」などのライセンス(CC BY 4.0など)があります。使用前にFigma Communityの右カラムにある公式ライセンス条項を一読してください。

Q2. キットを使いすぎると、どれも同じデザインにならない?

A: なります。ですから、コンポーネントの「構造」は借り、フォント・色・余白の「スタイル」でブランドを表現するのがプロの技です。骨組み(キット)は同じでも、外装(スタイル)を変えれば別物になります。

Q3. 社内PCが重くてFigmaが固まります。

A: 未使用のページやコンポーネントを削除してください。特に公式キットは全パーツが入っているため、必要なものだけを「Main Component」から切り離して別ファイルに移植するのが運用の鉄則です。


🎯 まとめ

「デザインをしない」ことが、最高の結果を生む。

  • iOS/Macアプリなら → Apple Design Resources
  • Android/Web標準なら → Material 3 Design Kit
  • 爆速でSaaSを作りたいなら → Untitled UI

まずは、Figma Communityで「Apple Design」と検索して、自分のファイルに複製することから始めてください。明日の朝、これまで3時間かかっていた作業が30分で終わる快感を味わうはずです。

ツールへの投資(といっても今回は無料ですが、習得の手間という投資)を渋るのは、包丁が切れないのに研がずに料理を続けるようなものです。 少しの「知恵」で、あなたの作業効率は10倍になります。

【最後に編集長から一言】編集部でも昔、ボタンのグラデーションを1px単位で弄って徹夜した若手がいました。しかし、ユーザーが求めているのは「ボタンの美しさ」ではなく、その先の「体験」です。ツールを使い倒し、あなたはもっと「人間にしかできないクリエイティブ」に時間を使ってください。応援しています。

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
おすすめ記事1
PAGE TOP