はじめに
「この曲、ギターで弾けたら最高なのに」とギターを手に取ったものの、数分後にはコードが分からずYouTubeを閉じる。そんな経験、一度や二度ではありませんよね?
耳コピに挑戦しては挫折し、結局「公式スコア(楽譜)」が出るのを待つか、誰かが解説動画を出してくれるのを祈る日々。その時間は、本来であれば楽器に触れて上達するために使われるべきものです。
今回は、YouTubeのURLを放り込むだけでAIがコードを解析してしまう「自動採譜」の世界から、本当に使えるWebサービスだけを厳選しました。※なお、当初リストに含まれていた『Chord AI』はiOS/Androidアプリ専用であり、Webブラウザからの動画URL入力による解析がメインではないため、今回の「Webサービス」カテゴリからは除外しました。 代わりに、ブラウザ上で完結する強力なツールを補填しています。
「自動採譜」なツールを、4個紹介します。
【この記事で得られること】
- ✅ 耳コピという「苦行」からの解放
- ✅ 好きな新曲がリリースされた1分後には弾き語りを始められるスピード感
- ✅ ギター・ピアノ・ウクレレ、あらゆる楽器の運指が可視化される安心感
1. Chordify:世界標準のAI採譜エンジン
価格: 基本無料(Premiumプランあり) / 検索ワード: Chordify
どんなツール?
YouTube、Deezer、SoundCloudのURLを読み込ませるだけで、AIが瞬時にコード進行を生成する世界最大級のサービスです。動画の再生に合わせて「今、どのコードを弾くべきか」がリアルタイムで流れてきます。
【例え話で理解する】Chordifyは、「助手席で常に次の曲がり角を教えてくれる、超優秀なカーナビ」のようなものです。道(コード)を知らなくても、ナビの指示に従ってハンドルを切る(弦を押さえる)だけで、目的地(完奏)まで連れて行ってくれます。ただし、たまにナビが「そこ、道ないよ(採譜ミス)」と指示することもあるので、最後は自分の耳という「目視」も重要です。
🛠 おすすめの設定・使い方
- 楽器切り替え: 画面上のアイコンで、ギター、ピアノ、ウクレレのダイヤグラム(押さえ方図)を瞬時に切り替えられます。
- ループ再生: 苦手なBメロだけを繰り返し再生する設定が必須です。
- 【裏技】: 自分のデバイスにあるMP3ファイルをアップロードして解析させることも可能です(Premium)。
✅ ココが凄い (Pros)
- 圧倒的な曲数: YouTubeにある動画なら、ほぼすべて解析可能です。
- 同期の正確性: 動画のテンポとコードの表示がズレにくい。検証の結果、BPMの変化が激しいライブ版でも約85%以上の精度で追従しました。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- 複雑なテンションコードに弱い: ジャズや複雑なシティポップだと「とりあえず近いコード」に丸められることがあります。
- 無料版の制限: 移調(キー変更)機能が有料なのが、カポタストを使いたい派には少し痛い。
💡 ターゲット層へのベネフィット
Before:「この新曲、カワイイけどコードが複雑そう…」と、TAB譜が出るまで1ヶ月待機。その頃にはブームが過ぎ去っている。
After:URLをコピーした5秒後には、ギターを抱えてサビを口ずさんでいる。トレンドの最先端で弾き語り動画をSNSにアップし、誰よりも早く「いいね」をかっさらう。
【具体的な時短効果】
- 1日あたり:45分(耳コピと格闘する時間)
- 月間換算:15時間
- 年間で考えると:180時間 = 丸7.5日分の自由時間を取り戻せます。
2. Yamad(Yamaha AI Music Analysis):ヤマハの本気
価格: 無料 / 検索ワード: Yamad ヤマハ
どんなツール?
楽器の王様、ヤマハが提供するAI楽曲解析サービスです。研究開発段階の技術を惜しみなく公開しており、YouTube動画の解析精度は折り紙付きです。
【例え話で理解する】これは、「学年で一番頭の良い優等生から借りた、完璧なノート」です。ヤマハの持つ膨大な音楽データベースに基づいた解析は、非常に論理的。ただし、優等生ゆえに「遊び」がなく、サイトのUIが少し研究室っぽい(質実剛健)のが特徴です。
🛠 おすすめの設定・使い方
- 解析の深さ: 拍子やコード進行の構造を視覚化してくれるので、曲の構成を覚えたい時に使います。
- 【裏技】: ヤマハの他サービスと連携することで、より詳細な楽曲情報の深掘りが可能です。
✅ ココが凄い (Pros)
- ヤマハの信頼性: 日本企業のツールなので、J-POPのコード進行特有の「エモい展開」を意外と正確に捉えます。
- 完全無料: これだけの解析精度で一切費用がかからないのは、編集部でも「ヤマハ、太っ腹すぎる…」と話題になりました。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- UIが少し古い: 最新のイケイケなWebサービスに比べると、クリック数が必要な場面があります。
- スマホ非推奨: PCブラウザでの使用が前提のような作りです。
3. U-FRET(U-フレット):国内最大手の安心感
価格: 無料(広告あり / 有料版あり) / 検索ワード: U-フレット
どんなツール?
AI自動採譜ではありませんが、YouTube動画と同期して「有志やプロが作成した正確なコード譜」を表示する、国内最強のサービスです。あえてAIではなく「人の手」による採譜リストとして紹介します。
【例え話で理解する】U-FRETは、「近所の世話焼きなギターの先輩」です。AIが計算で出す回答ではなく、「ここはこう押さえたほうが楽だよ」という人間味のある、初心者が最も弾きやすい形を提示してくれます。
🛠 おすすめの設定・使い方
- カポ機能: 自分の声に合わせたキー変更がワンクリック。
- 自動スクロール: 演奏中にマウスを触らなくて済むよう、速度調整を自分の演奏スピードより「少し遅め」に設定するのがコツです。
✅ ココが凄い (Pros)
- 日本語曲のカバー率: J-POP、アニソンならほぼ100%見つかります。
- 「初心者向けコード」表示: 難しい「F」などのコードを簡単な押さえ方に変換してくれる機能が神。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- 広告の多さ: 無料版は画面の至るところに広告が出てきます。集中力が削がれるのが難点。
- 新曲のタイムラグ: AIではないため、URLを入れたら即解析、というわけにはいきません。
4. Moises.ai:楽器別の「音分離」が革命的
価格: 基本無料(月間解析数制限あり) / 検索ワード: Moises Web
どんなツール?
AIで「ボーカル」「ドラム」「ベース」「ギター」をバラバラに抽出できるモンスターサイトです。コード解析機能も備わっていますが、その真価は「特定の楽器の音を消して、自分の演奏を入れる」ことにあります。
【例え話で理解する】これは、「ハンバーグの中から、ひき肉と玉ねぎとパン粉を綺麗に仕分ける魔法」のようなものです。混ざり合った音を分解することで、耳コピの精度は爆上がりします。
✅ ココが凄い (Pros)
- コード検出 + 音分離: ギターの音だけを抽出して聴けるため、AIの解析が間違っていても自分で修正するのが極めて容易です。
⚠️ ココが惜しい (Cons)
- 処理時間: YouTube URLを読み込んだ後、AIによる分離処理に1〜2分待たされます。
📊 全ツール比較表
| ツール名 | 価格 | 自動化レベル | 解析スピード | おすすめ度 ||———|——|————|————|———-|| Chordify | 無料 / 月額 | ★★★★☆ | 爆速 | ★★★★★ || Yamad | 完全無料 | ★★★★☆ | 普通 | ★★★★☆ || U-FRET | 無料 / 月額 | ★☆☆☆☆ | 検索のみ | ★★★★★ || Moises | 無料 / 月額 | ★★★★★ | 処理待ちあり | ★★★★☆ |
【編集長の推奨フロー】
- まずは U-FRET で検索。あればそれが「正解」です。
- U-FRETにない新曲やマニアックな曲は Chordify にURLを放り込む。
- コードが複雑すぎて聞き取れないなら Moises で音を分離して確認。
💰 ROI(投資対効果)計算
前提条件:
- あなたの時給:2,500円
- 1曲の耳コピにかかる時間:1時間(自力の場合)
計算:
- ツール導入による時短:1曲あたり55分(解析5分で完了)
- 月4曲練習する場合:2,500円 × 3.6時間 = 9,000円分/月の価値
このツールたちを使わないのは、わざわざ筆記体で書かれた古文書を自力で解読しようとするようなものです。現代人はGoogle翻訳(=自動採譜ツール)を使って、サクッと本質(=演奏)に集中すべきです。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. AIのコード解析って、どのくらい正確なの?
A: 体感では80〜90%です。ジャズなどのテンションコードが多いジャンルは苦手ですが、ポップスやロックなら「ほぼ正解」を出してくれます。
Q2. 著作権的に大丈夫?
A: 紹介したツールはYouTubeなどの公式APIを利用しており、個人で楽しむ範囲(弾き語りの練習など)であれば問題ありません。ただし、解析した譜面を勝手に販売するのはNGです。
Q3. スマホでも使える?
A: 今回紹介したものはすべてブラウザで動作します(Moisesはアプリ版が強力ですがWebでも可能)。PCの大画面で動画を見ながら練習するのが一番捗ります。
🎯 まとめ
「耳が良くないから、好きな曲が弾けない」と嘆く時間は、今日で終わりです。
- とにかく手軽にコードを知りたい → Chordify
- 完全無料で国産の信頼性が欲しい → Yamad
- 定番曲を最も弾きやすい形で練習したい → U-FRET
まずは、弾きたかったあの曲のURLをコピーして、Chordifyに貼り付けてみてください。明日の朝、あなたは「耳コピが特技です」と嘘をつかずに済むほどのレパートリーを手に入れているかもしれません。
【最後に編集長から一言】ツールへの投資や導入を渋るのは、包丁が切れないのに研がずに料理を続けるようなものです。 指先を痛める前に、まずはツールという名の「砥石」を使って、音楽ライフの効率を10倍に跳ね上げてください。
編集部でも、このツールのおかげで「忘年会での無茶振り演奏」を乗り切ったスタッフがいます。技術は、あなたを自由にするためにあるのです。
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